
家づくりを始めるかたの中で、家を建てる土地が無いかたは、
土地と家がセットの物件を購入する
か
土地の購入をしてから家を建てる
か
という選択肢になると思います。
土地と建物がセットになっているのが
分譲住宅や、建売住宅と言われる物件です。
条件付きの土地という物件もありますが、
そちらは、その条件のパターンが
住宅を建てる住宅業者さんが決まってるというパターンで、家自体はまだ変更可能な状態であると思われます。
今回は、土地を購入してから家を建てる場合の注意点として、
「まず土地を購入して、それから家づくりを始めるという順番は、後で後悔しやすい」ということをご紹介したいと思います。
土地だけを買って終わる人はいない
「土地が無いから、先に土地を買ったほうがいいのでは?」と思われたかもしれませんが、
「土地と建物は一緒に考える」という考え方が大切だということです。
土地だけ買って「あ〜いい土地だ」で終わりということではなく、家を建てて暮らすのであれば、どんな暮らしがしたいのか?というライフスタイルをイメージしてから、そのライフスタイルが実現できそうな家のことを考えた後に、その家が建てられる土地を探すという順番が良いでしょう。
家づくりを進める理想の順番を整理しましょう
もう少し詳しく、家づくりを進める理想の順番を整理しましょう
①人生設計をする
家は人生の中でも大きなお買い物です。
大きな買い物なので勢いも大事な部分ではありますが
大丈夫な要素を確認し、心配な部分を解決した上での勢いでないと後で後悔してしまいます。
まず、どんな家を建てるか?よりも大切なことは、どんな人生を送りたいか?ではないでしょうか。
おすすめは「年表づくり」です。
お子様の誕生やお子さんの就職、自分の仕事やパートナーの仕事など
人生のイベントを書き出してみて、それに5年毎など、年数をつけてどんな人生を送ってみたいかの年表を作ってみてください。
理想と現実はあると思います。
家づくりをきっかけに、なるべく理想の人生に向かいながら現実と向き合って人生設計をしてみて欲しいなと思います。
②資金計画をする
先ほどは理想の人生というお話でしたが、現実としては予算が絡んできます。
家づくりのお金は、現金でお支払いする方以外は高額な住宅ローンを契約して、長期間の返済をしていくことになります。
家の値段は決まっていても、実際に支払う月々の支払い金額が住宅ローンの種類によって変わってしまいます。
実質、家を買うというよりも、住宅ローンを買うということなのです。
月々、いくらなら支払っていけて、生活が苦しくないのか?
または、
予算を少なくしすぎて、「安物買いの銭失い」にならないか?
と、家づくりの総予算を把握することが大切です。
作った年表と照らし合わせると、より現実味が出てきます。
③家づくりを伴走してくれるパートナーを見つける
「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、3回とも理想の家にする方がいいですよね?
自分一人で考えるよりも、理想のライフスタイルの実現に向けて一緒に考えてくれるパートナーである住宅会社や設計士さんを探すことは、とても重要なことになります。
パートナーと一緒に、理想のライフスタイルと資金計画をもとに土地探しをすことをおすすめします。
事例紹介
一つの失敗例をご紹介すると
イメージしやすいのではないでしょうか。
Aさんは、家づくりの総予算を夫婦で話し合い5,000万円と決めました。
友達が不動産屋さんで働いていたので
相談し、
①希望のエリア
②希望の土地の大きさ40坪
③希望の駅からの距離
④周辺のお店や学校
など優先順位をつけて探してもらいました。
不動産屋さんは、友達ということもあって、とても親身に探してくれて
5つの候補地を探してくれました。
候補地①は
優先順位①〜④まで合う土地で
土地価格は3,600万円
候補地②は
優先順位①③④は合う土地で
②の大きさが30坪
土地価格は2,700万円
候補地③は
優先順位①②と④が合う土地で
③希望の駅からの距離が合わず
土地価格は2,000万円
候補地④は
優先順位①と②は合い
③④が合わず
土地価格は1,400万円
Aさんは、いろいろ迷いながら
候補地③2,000万円の土地なら
不動産屋さんに仲介手数料など払っても2,100万円程度なので
建物の予算に2,900万円かけられそうだからヨシとして、購入しました。
そして、おおよそここなら良さそうだと思う住宅メーカーさん3社に、相談に行きました。
各メーカーさんに
希望の条件など伝えて、
プランが出てきましたが
金額を比較。
建物の価格は2,700万円〜2,900万円と大丈夫だったのですが、
付帯工事や税金、保険など合わせると
予算が200万円〜400万円オーバー
希望条件を削って削って、
なんとか金額がおさまったのですが、
希望する家、希望する暮らしとは
ほど遠い家になりそう。
そんな時ふと、
「家の希望条件よりも、土地の条件を変えて候補地④の駅からの距離はそれほど近くなくても良かったかも」と思うようになりましたが、、、
このようなケースは他の住宅メーカーさんからも何件も聞いたことがあります。
ということは、世間的にもけっこうあるケースで、何かしら妥協しながら建てられてるのだと思います。
ここで、後悔しないためのポイントは、
「候補地④を選べば良かった」
ではありません。
「優先順位の1位は土地の予算にする」
か
「家づくりする設計士さんと一緒に土地を探す」
の2択かなぁと思います。
どんなに良い条件でも、価格が合わなければ買えませんし、
そもそも良い条件とは?を考えるには、理想の暮らしかたと予算を考えた家を設計することで選ぶ土地の条件も変わってきます。
というわけで家づくりする設計士さんと一緒に探すことで
あとあと後悔する可能性が低くなります。
家づくりの総予算と理想の暮らし。
理想と現実的。
”ちょうどいい”と思えるような選択をしてもらえたらと思います。